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福岡地方裁判所 平成3年(わ)1250号 判決 1992年6月08日

本籍

福岡市早良区小田部四丁目一一番

住居

同区小田部四丁目一一番三二号

会社役員

亀山輝也

昭和二二年一月一三日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官日俣修出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

一  被告人を懲役一年六月及び罰金二〇〇〇万円に処する。

一  右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

一  この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、ビデオソフトテープの賃貸及び販売業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、レンタルビデオショップ等の店舗の賃貸や仕入注文を従業員名義で行うなどして従業員が経営しているように仮装するとともに、売上金等を従業員名義で預金するなどの方法により所得を秘匿した上、

第一  昭和六一年分の実際所得金額が四二五五万九九七二円(別紙(一)修正貸借対照表参照)あったのにかかわらず、同六二年三月一六日、福岡市早良区百道一丁目五番二二号所在の所轄西福岡税務署において、同税務署長に対し、同六一年分の所得金額が四九九万八〇〇円で、これに対する所得税額が五四万四五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額一九一二万六五〇〇円と右申告税額との差額一八五八万二〇〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ、

第二  同六二年分の実際所得金額が一億一九八二万一九五〇円(別紙(三)修正貸借対照表参照)あったのにかかわらず、同六三年三月一五日、前記税務署において、同税務署長に対し、同六二年分の所得金額が七八七万七〇〇〇円で、これに対する所得税額が一一〇万六七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額六三三〇万八三〇〇円と右申告税額との差額六二二〇万一六〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏の被告人に対する各質問てん末書

一  村山辰雄、酒井良明、高山勝利及び坂田道治の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏作成の脱税額計算書説明資料

一  収税官吏作成の各査察官調査書

一  収税官吏作成の各査察官報告書

判示第一の事実について

一  収税官吏作成の脱税額計算書(昭和六一年分)

一  押収してある所得税確定申告書一綴(平成四年押第二〇号の2)

判示第二の事実について

一  収税官吏作成の脱税額計算書(昭和六二年分)

一  押収してある所得税確定申告書一綴(前同押号の1)

(法令の適用)

被告人の判示各所為は、いずれも所得税法二三八条一項に該当するので、所定刑中懲役刑と罰金刑とを併科し、情状により同条二項を適用し、以上は、刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑につき同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑につき同法四八条二項により各罪所定の罰金額を合算し、右加重した刑期及び合算した金額の範囲内で被告人を懲役一年六月及び罰金二〇〇〇万円に処し、右罰金を完納することができないときは、同法一八条により金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 金山薫 裁判官 井口修 裁判官 甲斐野正行)

別紙(一)

修正貸借対照表(総所得)

<省略>

修正貸借対照表(事業所得分)

<省略>

<省略>

修正貸借対照表(不動産所得)

<省略>

修正貸借対照表(利子所得)

<省略>

修正貸借対照表(雑所得)

<省略>

別紙(二)

<省略>

別紙(三)

修正貸借対照表(総所得)

<省略>

修正貸借対照表(事業所得分)

<省略>

<省略>

修正貸借対照表(不動産得分)

<省略>

修正貸借対照表(雑所得)

<省略>

修正貸借対照表(総合短期譲渡所得)

<省略>

別紙(四)

<省略>

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